統合医療という考え方を知る

2014.10.26 kaede / 統合医療 西洋医学 東洋医学

日本人の2人に1人がかかるという「がん」という病

 この病気にかかったとき、患者とその家族は不安や恐怖といった多くの感情を抱き、この病気と向き合うことを余儀なくされます。
このサイトを管理している「私」も幼い子供が2人いて、これからだというときに「妻」が末期の乳がん宣告をされました。妻の不安や恐怖は私にはわからないほど、そうとうなものだったと思います。
 当然、私たち家族も極度の不安や言い表すことのできない悲しさで、押しつぶされそうでした。そんな患者や家族に向けて「がん」への向き合い方を指南してくれる、書籍やインターネットのサイトなどが情報を開示しています。
 しかしながら、すべての情報が正しいとは限らないことと、情報量が多すぎて一体どれが自分たちにとって有意義な情報なのかわからず、当事者たちの混乱と苦悩に拍車をかける壁となって立ちはだかっています。

「がん」の治療は大きく分けると、“西洋医学”と“東洋医学”

 がんのような難病になってしまった場合、ほとんどの患者や家族は“西洋医学”による治療を望まれると思います。当然、私たちもそうでした。「がん」という病気を治すには病巣を取り除くしかないと思い、そのことに全力をつくします。
 がん治療の中心を担う「拠点病院」や「先進医療の受けられる病院」「がんの名医」などを探しだし、そこで治療をすれば「なんとかしてくれるのではないか?」と思い、そこで治療を受けていくのですが、ここに大きな落とし穴があります。
 良い病院や名医を探して治療してもらうため、一生懸命になって探しだし、その後、病院探しの疲れからか「少し油断」をしてしまい“後は病院にまかせっきり”になってしまうことがあります。
 そもそも、病院は病原体を切除や薬の投与により、身体から取り除くのが仕事であって、予防や体質改善といった身体のメンテナンスは患者や家族が気をつけていかなければならないのです。
 というのも、これから治療するであろう内容というものが、手術や抗癌剤、放射線治療といった体を酷使するものだからで、「がん」は取り除いたはいいが、患者の体力を湯水のごとく削られてしまい、免疫力の低下を引き起こし、「がん」の再発率を上げてしまう可能性があるからです。治ったはいいが再発しては元も子もないのですから。

西洋医学の治療は部分治療

 西洋医学の治療は部分治療です。内科や外科、皮膚科など、いくつかの各科にわかれていて身体を部分的に診ます。
病気の根源を徹底的に検査し、数値的に測られて診断されたのち「薬を用いて病原を攻撃する」「病巣を切除する」といった“結果がすぐでる治療”が特徴です。
 緊急を要する病気や怪我、インフルエンザなどの伝染病の場合には、事前のワクチン投与や薬による攻撃は、非常に優れています。
 しかしながら、良い点ばかりではなく、体力のない患者は病気が良くなっても薬の副作用により体力がなくなり別の病気にかかったり、病巣は切除できたけれども身体全体のバランスが崩れて普通の生活が難しくなるケースなどもあります。
 そこで、西洋医学のデメリットの部分を違う視点で捉えている、東洋医学(身体を健全にすれば自身の力が治す)の良い所によって補おうという考えが、“統合医療”なのです。

東洋医学の治療は全身治療

 東洋医学は患者の自覚症状を重んじ、病状を観察しながら治療したり、体質を改善しながら予防や治療方法を探るといった全身医療が主な内容です。人体に対する処方の経験値を蓄積した医学で「自覚症状があれば未病のうちに改善する」「 病気の根源を追求し全身の状態を診る」「副作用がない自然から得た本草薬を処方する」といった“予防や体質改善の治療”が特徴です。
 東洋医学では病気の症状の根源に目を向け、さらに根源から見て他へ影響を及ぼしている部分へも目を向けます。私たちの身体を包んでいる部分である皮膚、髪、爪と内側にある骨、筋肉、内臓はすべて1つに繋がっているので、 部分的に診るのではなく、身体の全体の状態を診る(病人を診る)ということに重点を起きます。
 しかしながら、「体質改善」や「予防」の面では優れているものの、西洋医学のような「特効薬」「病巣の切除」といった“結果がすぐでる治療”がないのがデメリット部分ではあります。

「がん」とはどういうものなのか

 では、もともと「がん」とはどういうものなのか、考えて見てください。“即効性の治療”が必要ですか? 患者によって違うと思うのです。
 当然、病状が深刻で、すぐ切除しなければならない場合もありますが、最近では抗癌剤を術前に投与し「がん」を小さくして身体の負担を減らす方法もでています。
 病巣が小さい場合はどうでしょう? “抗癌剤治療”でしょうか? 抗癌剤治療は身体に相当な負担を強いられます、健康な人に「抗癌剤を試しに飲んでみろ」といっても決して飲まないでしょう、「風邪薬だったら?」飲みますよね。それほど、毒性の強いものだと認識しているのに医者が作ったガイドラインにそって安易に“抗癌剤”を投与してもいいのでしょうか?
 病状が深刻でない場合、東洋医学のように“経過観察”しながら“体質を改善”“免疫強化”をおこなってからでもいいのではないでしょうか? ですが、必ず担当医による診断と相談が必要です。あくまで西洋医学のサポートとして東洋医学の考え方を取り入れていくことが大切です。
“医者の言うことを聞かない”ではなく、“医者との相談”がもっとも重要で、わからないから聞いたら失礼などと思わず、「疑問点」や「自分たちはこう治療をすすめたい!」はすべて担当医に話すことが「がん」と戦うためには必要不可欠です。

"西洋医学"と"東洋医学"のメリット デメリット

 これらをふまえて、「がん」と向き合い治療をしていきます。病状の具合や治療方針、患者の健康管理、再発防止策など、西洋医学と東洋医学の両方の視点からみて、患者に合った治療法を模索していかなければなりません。
 特に抗癌剤は効果には個人差があり、一度はじめると最初の第一選択薬が効かなかった場合、第二、第三と効くまで投与することも考えられるます。それはあまりにも患者に負担がかかり縮命(寿命を縮める)ことにもなりうるので、十分注意するところでもあります。
 抗癌剤が駄目なわけではないのです、患者や家族が1つ1つ治療に向きあって決断していかなくては「がん」という病気は治せないのです。西洋医学や東洋医学の枠を超えて「医者や患者、家族が1つのチームとなって治療していく」これが、私がおすすめする「統合医療」の考え方なのです。